限界利益と貢献利益

(Question)

限界利益と貢献利益の違いについて教えてください。

(Answer)

固定費型企業と変動費型企業において述べたように費用の中には変動費と固定費があります。そして、固定費はその売上高に直接紐付けられる直接固定費(支店の地代家賃、部門別人件費など)と直接紐付けることのできない間接固定費(本社人件費、その他本社経費など)に分解されます。

ここで、限界利益と貢献利益は以下の計算式で表されます。

 限界利益=売上高-変動費

 貢献利益=限界利益-直接固定費

限界利益は一つの製品ないし活動から得られる利益の集合で、この限界利益が固定費全体を上回る場合に営業利益が黒字となります。

これに対して、貢献利益はある部門の限界利益からその部門に紐付けられる直接固定費などを差し引いた後の利益となります。この貢献利益が、部門配賦されない本社経費などの間接固定費を上回る場合に営業利益が黒字となります。

上述から、限界利益は変動費と固定費の分解を行う場合に使用されることが多い指標で、貢献利益は部門別会計を行っている場合に使用されることが多い指標と言えます。

※上記の意見にわたる部分は当事務所の見解であり、個別の会計処理に対して何ら保証するものではないことをお断り申し上げます。