CVP分析方法

(Question)

損益分岐点売上高の計算方法を教えてください。

(Answer)

結論として損益分岐点売上高は以下の計算式となります。

損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率(貢献利益率)

試験などで計算するだけであればこれを覚えても良いのですが、おそらく意味がありません。損益分岐点売上高はそれを計算する過程で自社の強み・弱みを把握できるものであるため下記のように損益計算書のようなイメージで理解した方が良いでしょう。

【具体例】

売上高250,000円(@100円)、変動費70,000円(仕入40,000円、外注費30,000円)、固定費100,000円(人件費60,000円、家賃30,000円、雑費10,000円)の事業について。

事業の損益計算書を変動費・固定費別に組替えをします。

売上高250,000円

変動費△70,000円

貢献利益180,000円

固定費△100,000円

事業利益80,000円

これを分解すると、

売上高@100円×2,500個

変動費△28円×2,500個

貢献利益72円×2,500個

固定費△100,000円

事業利益80,000円

貢献利益率は72%となります。事業を成り立たせるためには、固定費100,000円を貢献利益で稼がなくてはなりません。つまり損益分岐点とは、貢献利益と固定費が同額となる点です。

貢献利益=固定費

損益分岐点売上高×72%=100,000円 ∴損益分岐点売上高≒133,889円

@100円×損益分岐点販売数量=133,889円 ∴損益分岐点販売数量≒1,339個

この事業では、最低でも1,339個販売しなければ赤字となると分かります。この分析を貢献利益まで主要製品ごとに行い最後に固定費を引く、さらには製品ごとに単価、数量に予算を設定しておいて実際の単価、数量と対比すると、セールスミックス差異、価格差異、数量差異などの経営判断に有用な情報が計算できることにつながります。この意味でも公式で覚えるのではなく「固定費分を貢献利益で稼がなくてはならない」というイメージを持つことが重要です。

※上記の意見にわたる部分は当事務所の見解であり、個別の会計処理に対して何ら保証するものではないことをお断り申し上げます。