(Question)
当社は資本金額に比して負債金額が大きい業態となっています。
仮に1年だけでも負債金額が200億円以上になる場合にも法定監査が必要でしょうか。
(Answer)
会社法第328条において、最終事業年度に係る資本金の金額が5億円以上または負債の部の合計金額が200億円以上の会社は会計監査を受けることが義務付けられています。
例えば、2020年3月期で負債金額が180億円であった会社が2021年3月期に200億円になった場合、2022年3月期に会計監査を受ける必要があります。
そして、2022年3月期では負債金額が190億円になった場合は2023年3月期の会計監査を受ける必要はありません。
ここで、会社法の法定監査が必要となる2022年3月期について法定監査を受けない場合には会社法976条22号の規定に基づいて100万円以下の罰金が科されることになります。
通常は監査報酬の方が罰金よりも高額であることから、会計監査を受けるよりも罰則を受けた方が経済的な負担が小さいように見えますが、金融機関及び債権者などの利害関係者からの信用を失うことに繋がります。
会計監査を単なるコストとして見做すのではなく、自社の信用力を高めること、会計専門家から改善提案を受ける機会と捉えることを推奨しています。
会計監査は一定の準備期間が必要なため、法定監査が必要となる場合はお早めにご連絡ください。