(Question)
我が社は原価計算を行っていますが、非常に煩雑で時間がかかります。そこまでして、原価計算を行う必要はあるのでしょうか。そもそも原価計算の目的はどのようなものなのでしょうか。
(Answer)
原価計算には主に以下の目的があります。
(1)製造原価を正しく計算する目的
製品の原価を正確に計算することで、いくらで商品を販売すれば黒字になるかといった経営判断に資することができます。逆にいうと、製品原価を正しく計算していないと決算を締めた後になって初めて大赤字になってしまうということが起こり得ます。
(2)製造原価を引き下げる目的
どの製造活動にいくらの原価が発生しているを正確に把握していれば、原価が多く発生している工程について改善活動を図ることができます。業務の改善・効率化を図ることで製造原価の削減に成功すれば、会社の利益拡大に貢献することができます。
(3)仕掛品の在庫金額を測定する目的
売上原価は以下のように当期の発生原価に期首と期末の在庫金額を加減算することで確定します。
売上原価=期首在庫金額+当期発生原価-期末在庫金額
そのため、売上原価の金額を確定して決算を締めるためには、期末の仕掛在庫金額がどれだけ発生しているか測定する必要があります。
いずれも会社経営に資する重要目的となりますので、原価計算を正しく・適時に行うことが管理会計上は望ましいと考えます。
※上記の意見にわたる部分は当事務所の見解であり、個別の会計処理に対して何ら保証するものではないことをお断り申し上げます。