連結計算書類作成義務とは

(Question)

当社は投資ファンドの支援を受けることとなりました。その際に、投資ファンドが設立した企業を親会社として連結計算書類作成を指示されました。当社は上場企業ではないのですが、連結計算書類を作成しなければならないのでしょうか。

(Answer)

連結計算書類は、主に金融商品取引法の規定により作成が強制されます。例えば、上場した場合や社債を発行した場合が該当します。

また、会社法444条1項により、任意に連結計算書類を作成できます。

ただし、連結計算書類は通常の会計と比して複雑であり、また、恣意性が介入しやすいものになります。そのため、あいまいな会計処理により連結計算書類が作成され、利害関係者が不利益を受ける可能性があるため、会計監査人(公認会計士または監査法人)の設置が義務付けられています。

貴社は上場ではないとのことですが、多額の社債の発行が予定されているか、任意作成を求められていると考えられます。任意での連結計算書類の作成は、単体決算書ではどうしても会計処理上のひずみが蓄積するため、この解消のため、時価会計の追求目的とも考えられます。

近年では、金融機関の求めにより、会社法の規定とは別に、参考資料としての連結計算書類を作成している企業があります。この場合は、あくまでも参考資料のため、会社の機関としての会計監査人を設定していないようですが、実質的には公認会計士と監査契約を結び、会社法に準じたものとして監査報告書を得ているものと想定されます。

※上記の意見にわたる部分は当事務所の見解であり、個別の会計処理に対して何ら保証するものではないことをお断り申し上げます。