(Question)
当社が上場したため内部統制監査を受けることになったのですが、内部統制監査を受ける意義がよく分かりません。内部統制監査の目的について教えてください。
(Answer)
まず、内部統制の目的についてですが、以下の4つがあるとされています。
経営者は自社のすべての活動を把握することが困難であることから、有効な内部統制を構築することで上記の目的を達成できるメリットがあります。特に会社の利害関係者である投資家や取引先の企業は「2.財務報告の信頼性」に係る内部統制が有効な企業に対して、安心して投資・取引を実施することができるメリットがあります。
内部統制をどのように構築して運用するかは、個々の企業が置かれた環境や業種によって異なるため、経営者にはそれぞれの企業の状況に応じて内部統制が有効に機能するように自らが整備・運用の徹底を指導する役割と責任が求められます。
ここで、経営者が構築した内部統制の整備・運用状況が有効であることを外部に公表することで利害関係者が安心して投資・取引できる一方で、当事者である企業が公表した内部統制の有効性はそれだけでは自己評価の域を過ぎず、その有効性を容易に改竄して公表することが可能であることから、それだけでは利害関係者からの信頼を得ることができません。
そのため、独立外部の専門家である公認会計士又は監査法人が経営者の内部統制の評価結果に対して客観的な意見を表明することで利害関係者は当該企業の内部統制の有効性を信頼することが可能となります。
※上記の意見にわたる部分は当事務所の見解であり、個別の会計処理に対して何ら保証するものではないことをお断り申し上げます。