(Question)
コストダウンというと、会社が利益を出すために必要なことは分かります。しかし、それだけだと、使用する材料を安価なものに変更したり、残業カットなどのイメージがあり、品質や従業員に悪影響を及ぼすように感じます。そもそもコストダウンは必要なのでしょうか。
(Answer)
当事務所では、コストダウンの目的を、顧客の感覚と自社の感覚のギャップを埋め、当社製品を選んでいただくことにあると考えます。
『この製品には①これだけコストがかかったから、②利益分をマークアップして、③いくらで売ろう』
これは販売価格の決定会議で当然の会話となります。
しかしどうでしょうか、この思考は非常に自己中心的です。
そもそも企業にとって、②や③は管理できる項目でしょうか。②は株主や銀行に求められる配当金や利息が該当します。また、③は独占的市場でない限り他社との競争が生じます。したがって、企業にとって、真っ先に管理できる項目は①のみとなります。
『こういったサービスを思いついた。こういった製品は売れるだろう』
当事務所は数多くの事業再生の経験から以下の流れであるべきと考えます。
③からマーケティングし、②において現状の財務状況を知り、①においてその範囲内のコストで製造する。これにより、顧客と自社のギャップが大きく乖離することはありません。
もちろん、②はファイナンスの戦略により、③はブランド戦略などにより管理可能となることもあります。しかし、自社のみで上記ギャップを迅速に埋められる方法はコストダウンによるものと考えます。
※上記の意見にわたる部分は当事務所の見解であり、個別の会計処理に対して何ら保証するものではないことをお断り申し上げます。